研究課題
特別研究員奨励費
今年度においては、トポロジカル半金属のワイル半金属とノーダルライン半金属に加えて、その拡張としてワイル超伝導体についてもトポロジカル相転移の研究を行った。以下にそれらの結果をまとめる。まず、スピン軌道相互作用の無い系におけるノーダルライン半金属からワイル半金属への相転移について研究した。ノーダルライン半金属相に対して、時間反転対称性または空間反転対称性の破れをもたらす摂動を導入することで、ワイル半金属相へ相転移が可能か否かを調べた。はじめに対称性に基づいてノーダルライン半金属のフェルミ面を分類することによって、前年度よりも普遍的な相転移の議論を構築できた。次に、ワイル超伝導体を実現するためのトポロジカル相転移について議論を行った。ワイルノードの構造は時間反転対称性の破れた超伝導体にも一般化可能であり、ワイル超伝導体と呼ばれる。一方で、鏡映対称性がある超伝導系においては、トポロジカル結晶超伝導体と呼ばれるトポロジカル相が実現可能である。本研究により、時間反転対称性が破れた超伝導系では、トポロジカルに自明な超伝導相とトポロジカル結晶超伝導相の間にギャップレス超伝導相が出現することがわかった。特に、空間反転対称性が破れている場合または奇パリティ超伝導体の場合には二相の間にワイル超伝導相が出現することを示した。さらに、そのトポロジカル相転移において、どのようにマヨナラ表面状態が変化するかを明らかにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
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巻: 印刷中