研究課題
特別研究員奨励費
光を用いた量子情報処理の大規模化に関して,周波数領域における光モード多重化によるアプローチを行っている.まず昨年度実施した実験(両側光サイドバンドモードにおける光子引き去り法の提案とSchrodingerの猫状態の生成,Wigner関数の負値の直接観測)に関して論文にまとめた.他,付随して以下の研究を行った.a.光ホモダイン測定の高周波限界に関する研究フォトダイオードにおける光電変換,光キャリア輸送の過程に存在する雑音により,フォトダイオードを用いた光ホモダイン測定のSN比が制約されうることに関して理論的・実験的研究を行った.高周波余剰雑音の理論モデルを導き,代表的なフォトダイオード材質に関して余剰雑音の大きさを予言した.また市販のフォトダイオードと連続波光レーザーを用いて余剰雑音の大きさを実験的に同定し,理論モデルと矛盾しない結果を得た.b.高次元線形フィルタを用いた光干渉計フィードバックコントローラの開発光量子情報処理ではビームスプリッタ相互作用が基本的な構成要素として用いられ,複雑なビームスプリッタネットワークを構成することが本質的に重要である.フリースペース光干渉計の光路長制御を高精度化するため,高次元線形フィルタを備えるデジタルフィードバックコントローラを開発した.このコントローラは光路長アクチュエータの線形応答に対する逆フィルタとしてはたらき,その周波数応答キャンセルすることによって,帰還ループの発振を抑えることを狙っている.FPGAと高速AD/DAチップを用いて,レイテンシが350nsの24次元線形フィルタを実装した.これによってピエゾ素子の弾性体共振の影響がキャンセルされ,制御帯域が3倍に拡大することを実証した.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件)
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