研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、神経変性疾患における新たな病態理解を目指し、非侵襲的で細胞傷害程度と傷害領域を制御することができる「光誘導性細胞傷害制御技術」を開発する。そして、本技術と神経変性疾患モデルマウスを用いて、NG2グリアの機能を脳領域選択的に低下させることにより、NG2グリアの神経変性疾患における病態関与を明らかにすることを目的とした。平成28年度は、光誘導性細胞傷害制御技術の確立を目指し、外部機関から分与して頂いた遺伝子改変動物を掛け合わせ、NG2グリア特異的に細胞傷害性蛍光タンパク質であるKillerRedを発現するマウスを作製した。しかしながら、遺伝子発現レベルや免疫染色法ではKillerRedの発現を確認する事ができなかった。代替案として、アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いて、NG2グリアにおける KillerRed の発現誘導を試みた。NG2グリアに感染しやすいセロタイプであるAAV5を使用し、KillerRed遺伝子を導入した AAV5-KillerRed を作製した。精製・力価測定後の AAV5-KillerRed をマウスの海馬領域に注入し、KillerRed の発現を評価した。KillerRed の発現は確認されたが、遺伝子発現の細胞特異性がなく、神経細胞にも KillerRed の発現が確認され、実験を中断した。この問題を解決するには、NG2グリア特異的な遺伝子プロモーター(NG2やPDGFRαなど)を導入したNG2-KillerRedやPDGFRα-KillerRedレトロウイルスやレンチウイルスベクターを作製する必要がある。また光誘導性細胞傷害制御技術を確立する上で、ファイバー型蛍光顕微鏡のレーザー照射条件の設定が求められるため、蛍光タンパク質を脳内で発現するマウスを用いて、レーザー照射だけでは細胞脱落しない照射条件を検討した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Sci. Rep.
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