研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は、カキの完全甘ガキ(PCNA)性を支配する対立遺伝子(AST/ast)の同定およびその制御メカニズム解明である。H29年度は以下の研究を行った。1.甘渋性分離後代の果実トランスクリプトーム解析前年度に引き続いてトランスクリプトーム解析を行い、カキ果実のプロアントシアニジン蓄積と負の相関を有する遺伝子群を解析した。これらには防御関連遺伝子の蓄積に特徴がみられ、カキ果実におけるプロアントシアニジンの防御的役割が示唆された。2.AST遺伝子座におけるカキ/マメガキ比較ゲノム解析六倍体であるカキを用いた直接の遺伝解析は困難であることから、カキの二倍体近縁種であるマメガキを利用して参照情報の構築を試みた。前年度に作出したAST周辺領域のマメガキゲノム配列を用いてマーカーを作製し、マメガキ交雑集団 (N = 333) およびカキ甘渋性分離集団 (N = 296) を用いて、AST領域における比較ゲノム解析を行った。同領域にはカキとマメガキ間のゲノムシンテニーが認められ、ASTの座乗領域をマメガキゲノムの約915 kbに相当する領域に同定した。分離後代のRNA-Seqデータおよび、2品種、bulkした10後代の全ゲノムシーケンスデータを取得しAST候補の探索を行った。カキAST座とシンテニーのあるマメガキゲノム915 kbの領域に、トランスクリプトーム解析により示された制御因子の候補は検出されなかった。次にRNA-Seqと全ゲノムシーケンスデータを用いて遺伝子コード領域における候補多型を探索したが、マメガキゲノム915 kbの領域には有力な候補を検出することはこれまでできていない。今後ASTの同定に向けて、六倍体カキにおける配列構築を検討する必要があると考えられる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
The Horticulture Journal
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