研究課題
特別研究員奨励費
生体組織の硬さは病変箇所の判別において重要な判断材料である。近年,内視鏡治療等において硬さの情報を得ることが可能な計測技術の開発が期待されている。しかし,治療器具と対象組織の接触荷重を制御するのは現実的に困難であり,この荷重変動に依存しないセンシング技術の開発が必要である。また,軟性内視鏡治療における腹腔への送気圧が不明な場合,腫瘍サイズ診断における誤診などのリスクが存在することが知られている。本年度は,これらの課題に対する皮膚感覚センサの応用検討を行った。1.硬さ検出における荷重依存性低減の検証基準面構造により荷重依存性を低減した生体硬さセンサにおける荷重依存性低減の理論モデルを構築し,実測結果との比較検証を行った。理論モデルは,硬さセンサの接触子面積,チップ形状による基準面面積をもとに,全体の接触荷重と出力感度の関係を表す解析的な式でまとめた。実際に,サンプル硬さに対するセンサ信号と,求めた理論出力の比較を行い,本質的な性質は表現されていることを確認した。今後,非線形効果を考慮することで,より正確な荷重依存性が表現できると期待される。2.集積化センサの内視鏡治療への応用手法開発軟性内視鏡治療中における,圧力センサシステム実現のため,体内での各情報の耐性を有した圧力センサ実装フードの製作及び動物実験による有効性の検証を行ってた。図2は,約2mm角のセンサチップを実装した内視鏡フードである。生体内でセンサを安定的に駆動させるため,胃酸を始めとした体液に対する耐性の確保,内視鏡光源による照度変動への対応,環境温度変化に対する温度補償回路の構築等を行った。本学医学部と合同で動物実験を行った。実験においては,外部から胃瘻を介して接続した圧力センサの計測結果を基準圧力として取得した。実際の腹腔内における圧力の変化に追従して,センサの出力信号が変化していることを確認した。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Japanese Journal of Applied Physics
巻: 56 号: 4S ページ: 04CF09-04CF09
10.7567/jjap.56.04cf09