研究実績の概要 |
当該年度は次項に記載したように、KIAA1199が多く発現しており、KIAA1199欠損マウスにおいてヒアルロン酸が特に蓄積する領域である海馬歯状回に注目し、神経細胞の形態学的評価を行った。免疫染色法による検討の結果、KIAA1199欠損マウス海馬歯状回において神経新生のマーカーであるDCXの陽性細胞数の減少が観察された。また、KIAA1199欠損マウス海馬歯状回の神経細胞樹状突起スパインの形態を評価した結果、スパイン密度の減少が観察された。これらの結果は、空間記憶に必要である歯状回神経細胞の新生過程や、正常なシナプス形成能がKIAA1199の欠損によって障害されることを示しており、本マウスにおいて観察された記憶障害の一因であると考えられる。また、上記の結果をまとめ、以下の論文として発表した。 [Targeted deletion of HYBID (hyaluronan binding protein involved in hyaluronan depolymerization/ KIAA1199/CEMIP) decreases dendritic spine density in the dentate gyrus through hyaluronan accumulation Biochemical and Biophysical Research Communications, 503(3),1934-1940,2018]
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