研究課題/領域番号 |
16K00217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
守屋 三千代 創価大学, 文学部, 教授 (30230163)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ナル的表現 / 通言語的研究 / 類型論的研究 / 認知言語学 / 哲学 / スル的表現 / SOV型言語 / 事態把握 / ナル表現 / SOV言語 / 通言語研究 / 中動態 / 自発態 / ナル的言語 / ナル相当動詞 / スル的言語 / 主観的把握 / 自発 / 変化 / 出来 / ナル / 類型論 / スルとナル / 類型論研究 / 自動性 |
研究成果の概要 |
本研究は日本で初の「ナル的表現」研究の通言語的な観点に立つ研究であり、認知言語学や哲学を視野に入れた点で極めてユニークである。そして、その成果を書籍の形にまとめて、世に問うことができるようになった点も評価できると考える。研究成果として最も注目すべき点は、世界には「出来」と「変化」の意味を専用に表す「ナル相当動詞」を持つ「ナル的言語」が数多く見られ、その多くが(S」OV言語であり、主観的把握の傾向を有し、主格/ゼロ格を伴って「出来」の用法を有し、「変化」の意味を派生的に表すが、日本語の「ナル表現」は基本的に到達点の格助詞「ニ」を伴い、「変化」の用法に傾斜しており、大きな相違を示す点である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「ナル表現」は一般に到達点を表す「ニ格」を伴い「変化」の用法を表し、日本語の特徴を示すと考えられている。だが、調査の結果、実際には「出来」「変化」を専用に表す「ナル相当動詞」は世界の言語に見られ、しかもその多くが日本語と異なり、主格/ゼロ格を伴って、「出来」の用法を有するとともに、「変化」の意味を派生的に表すことが明らかになった。ここにおいて、単に「ナル・ナル的表現」の意味用法を分析するにとどまらず、「出来・変化」という概念の問題、および「ナル的言語」の多くが(S)OV言語であり、主観的把握の傾向を有することから、「ナル・ナル的表現」に基づく類型論的研究の可否という言語研究上の要点を示した。
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