研究課題
基盤研究(C)
水中に微量に存在する Cu や Fe などの金属元素は生命活動に必須な元素として知られているが、その大部分が溶存有機物と錯形成を行っていることが知られている。錯生成反応は水圏における生物活動・物質循環を制御している にもかかわらず、水中に存在する有機配位子の化学構造や供給源については解明されていない。本研究では固定化金属アフィニティクロマトグラフィーを用いて琵琶湖水試料からCu-有機配位子錯体の分離・濃縮を行い、フーリエ変換イオンサイクロトロン 共鳴型質量分析による分子の同定を試みた。IMACにより分離された有機配位子は、リグニンおよび脂質・タンパク様物質が主要成分と考えられた。
本研究の成果として、以下のことが明らかになった。琵琶湖2 mの試料からIMACとC18固相抽出により分離された有機配位子のFT-ICR MSスペクトル解析の結果、141の配位子の分子式を求めることができた。IMACにより分離された有機配位子は、リグニンおよび脂質・タンパク質の分子グループに類似した元素組成費を有するのもが大半を占めた。しかしながら、炭水化物や縮合タンニンに類似した分子も見出された。これらの知見はすべて新規のものであり、構造不明の有機配位子に対する有用な情報を与えている。今後はMS/MSを活用するなどして、さらに詳細な構造の解析を進めていく予定である。
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