研究課題/領域番号 |
16K00529
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
|
研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
中澤 文男 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (80432178)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 氷河 / 花粉 / DNA / アイスコア / 天山山脈 / アルタイ山脈 / ロシア・アルタイ山脈 / 中央アジア |
研究成果の概要 |
本研究課題では、ロシア・アルタイ山脈にあるベルーハ氷河にて、2003 年夏に採取したアイスコアを用いて、それに含まれる古代花粉 1 粒ずつを、全ゲノム増幅法を用いて、花粉種の同定を試みた。本研究では、約470年前のトウヒト属とモミ属、約4870年前のモミ属の化石花粉についてDNAの解読に成功した。さらにトウヒ属については種レベルの同定を試みた。トウヒ属は世界に約35種の存在が知られている。本研究では、候補を5種まで絞ることができた。その1つに、現在も氷河周辺に分布するシベリアトウヒが含まれていた。このことから、約470年前においても、氷河周辺にはシベリアトウヒが分布していたと考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得た成果の学術的な意義は、アイスコアに含まれる古代花粉のDNA分析をおこない、その遺伝情報の解読に成功したことにより、過去の生物集団の遺伝的情報を直接得る道を切り開いた点にある。また、アイスコ試料の特性から、過去に遡って経時的に再構築できる点も意義は大きい。 アイスコアに含まれる古代花粉だけでなく古代微生物までも対象とし、研究を発展させれば、その成果をモデルケースとして、今後の気候変動が生物多様性に与える影響を考えるヒントとなる。また、生物保全への対応を探る基礎的な情報を提供することもできるだろう。
|