研究課題
基盤研究(C)
本課題では、クロマチン構造変換に関わるTIP60によるH2AXのアセチル化が、DNA損傷領域で如何に維持され、制御されるのかについて、TIP60複合体の構成因子であるTRRAPに着目して明らかにすることを目的とした。TRRAPは、TIP60によるアセチル化シグナルの局在化に関与し、DNA損傷部位でのアセチル化を介したクロマチンの構造変換を促すことが示された。またTRRAPは、PI3リン酸化酵素ファミリーに属するが、リン酸化酵素活性は有しないことから、当初、TRRAPとATMとの競合関係が予想されたが、今回、競合ではなく、放射線の線量率によって互いの役割が異なることが明らかになった。
今回の研究で、ヒストンH2AXのアセチル化の放射線ストレス応答における役割の一端が、明らかになった。アセチル化の責任酵素であるTIP60複合体の構成因子であるTRRAPに着目したことによって、H2AXのアセチル化とリン酸化の関係は、異なる線量率によってそれぞれその役割が異なることが見えてきた。これらの知見は、、福島原発事故の生体に対する放射線影響の分子レベルでの理解に貢献できると考えられる。
すべて 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 2件)
Nucleic Acids Research
巻: - ページ: 10007-10018
10.1093/nar/gky661
120006545208
elife
巻: 7
10.7554/elife.32222
120006539566
Nucleus
巻: 9 号: 1 ページ: 87-94
10.1080/19491034.2017.1395543
eLife
巻: 6 ページ: 1-26
10.7554/elife.29953
120006370731