研究課題
基盤研究(C)
最終年度および研究期間全体を通じて、(i)全球の洋上風力・波力エネルギーの数値予測システムの構築と予測実験を行い、予測結果の解析を行った。さらに、(ii)波力エネルギーの長期特性についてのデータ解析を行った。(i)の数値予測システムの構築では、世界の主要な現業気象局によって行われている気象予測のアーカイブデータ(THORPEX Interactive Grand Global Ensemble)と波浪モデル(WaveWATCH III)を用いた。波力エネルギーの予測は、気象予測によって得られた海上10mの風で波浪モデルを駆動して行った。一方、10mの海上風速と波浪モデルで推定された海面粗度を用いて、対数則を仮定してハブ高さ(海上から80m)での洋上風力エネルギーを推定した。本課題では、六つの気象局による予測データを用いて、2008年から2012年まで1日1回10日先までのエネルギー予測を行った。結果の解析では、「予測のリードタイム」、「予測の誤差」、「予測のばらつき(不確実性)」を定量的に明らかにすることで、現状の洋上風力・波力エネルギーの予測可能性について、基本的な情報を整理した。 解析結果を取りまとめ、国際誌に投稿し、受理された。また、海洋エネルギーに関する講習会の講師として本研究成果を紹介した。(ii)の波力エネルギーの長期特性についてのデータ解析は、「日本沿岸・近海の波力エネルギー分布の再推定」(科研費基盤研究(C) 25340131、H25-27、代表者:佐々木亘)と本課題にて行い、波力エネルギーの長期特性が大気再解析データに同化されるデータによって大きく変わる事実を国際誌に投稿、受理された。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
International Journal of Marine Energy
巻: 17 ページ: 98-109
10.1016/j.ijome.2017.01.003
Journal of Climate
巻: 29 号: 17 ページ: 6351-6361
10.1175/jcli-d-16-0056.1