研究課題/領域番号 |
16K00671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境政策・環境社会システム
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
青木 一益 富山大学, 経済学部, 教授 (60397164)
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研究協力者 |
本藤 祐樹
McLellan Benjamin C.
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | トランジション研究 / サステナビリティ・トランジション論 / 権力 / 政治 / MLP / システム・イノベーション / 分散型システム / 持続可能性 / 権力的作用 / 電力システム / システム・トランジション / バックキャスティング / トランジション理論 / 小規模分散型システム / 権力(関係)概念モデル / 自立・分散型システム / 再生可能エネルギー / サステイナビリティ・トランジション / Multi-level perspective / ニッチ / 社会システム / サステイナビリティ・トランジション論 |
研究成果の概要 |
サステナビリティ・トランジション論が提供する分析視座(MLP)の下、電力システムの分散化を志向した、スマートグリッドを用いた地域エネルギーマネージメントシステム(EMS)の導入過程に考察を加えた。事例研究では、アクター間の政治的・権力的な相互作用に関して実証的分析を行った結果、イノベーションを通じたシステム・トランジションの可否を左右する要因として、現行システムに既得権を有する支配的アクターと地域EMSの社会実装を選好する新規アクターとの間の意図せざる共振的な関係性や、地域EMSの実装範囲や収益性を巡り民と官の間で合意形成が頓挫したことが新規アクター間の協調を困難にしたことなどを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
事例研究からは、サステナビリティ・トランジション論の先端業績が示唆する、既存電力システムの支配的アクターが有する構成的権力の強さが、変革(ニッチ・イノベーション)を志向する新規アクターとの関係性において、なぜ、どのように維持・再生産されるのか、また、新規アクター間の合意形成の不可能性が、イノベーションにとって必須となる革新的権力の発現および変革的権力への展開を、なぜ、いかにして阻むのか、といった点の解明に資する経験的知見を得た。一連の知見からは、MLPの拡充に向けた理論的貢献のみならず、スマートグリッドを用いた地域EMSの今後の普及可能性を展望する際の、貴重な実践的含意をも導くことができる。
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