研究課題/領域番号 |
16K01173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
種田 博之 産業医科大学, 医学部, 講師 (80330976)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ワクチン行政 / 科学社会学 / HPV / 医療社会学 / boundary work(境界作業) / 審議会 / 疾患の表象 / リスク / 不確実性 / 薬事行政 / ワクチン政策 |
研究成果の概要 |
本研究は、科学社会学の分析視点である「boundary work(境界作業)」を用いて、2000年代の子宮頸がん(0期の前がん病変を含む)医療の文脈においてHPVワクチンならびに当該ワクチン接種がどのように語られることで定期接種化されたのかを、明らかにした。医学論文では、とくに若年層におけるHPV感染のまん延や子宮頸がんの発症の増加が語られた。他方で、審議会は子宮頸がん予防(HPV感染予防)というよりも、当該ワクチン接種によって健康被害が生じた場合の補償の点から、HPVワクチンは定期接種に組み込んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、定期接種法2013年改正によってHPVワクチン接種がいかに定期接種のA類に組み込まれたのを明らかにしたことである。HPVワクチンが定期接種A類に指定されたのは、子宮頸がん予防(その原因であるHPV感染予防)という考え方も当然あっただろうけれども、当該ワクチン接種によって健康被害が起こった場合の「補償」のためであった。つまり、いかなる疾病を定期接種の対象にするのかというワクチン政策は、「科学的正しさ」ではなく(科学的正しさがまったく無視されるわけではなく、「前提」となる)、それ以上に健康被害に対する補償(救済)という「政治的正しさ」によって、形づくられていることが明らかになった。
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