研究課題/領域番号 |
16K01180
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
佐々木 尚子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 研究員 (50425427)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 植生変化 / 植生史 / 半自然草原 / 二次林 / 火事史 / 花粉分析 / 完新世 / 古代製鉄 / 古代製鉄・製塩 |
研究成果の概要 |
中国山地ならびに瀬戸内地域において堆積物を採取し,花粉分析,微粒炭分析,火山灰分析および放射性炭素年代測定を実施して,古代製鉄・製塩が森林資源に与えた影響を検討した。 瀬戸内地域の製塩遺跡の堆積物には花粉が含まれていなかった。中国山地・蒜山地域のTTおよびYK地点では,約500年前に微粒炭が増加し,落葉ナラ類が減少した。これらの変化は周辺に分布する近世の製鉄遺跡の操業と対応する可能性が高い。OR地点では約1000年前,OH地点では約2000年前と約9000年前に微粒炭が増加し,イネ科植物が優占する植生が継続してきた。これらの時期の生産遺跡は見つかっておらず,火事の原因を特定することが課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本列島においては,約1500年前から人為の影響による二次林化がはじまったとされてきた。しかし,植生改変の開始時期は地域によって異なるはずであり,その地域差を明らかにすることが,列島全域の森林資源利用の歴史を解明するためには不可欠である。中国山地では,6-7世紀以降の製鉄遺跡が発見されている。製鉄は多量の燃料を消費するため,長期にわたる操業は森林資源に多大な負荷を与えたと考えられる。これまでの研究では,年代測定等が不十分なために,生産活動と植生の関係を十分に裏付けられていなかった。本研究の成果は,自然科学的な分析に基づき,中国山地における古代産業が森林資源に与えた影響を明らかにするものである。
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