研究課題/領域番号 |
16K01192
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館 |
研究代表者 |
赤田 昌倫 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, 客員研究員 (90573501)
|
研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | X線CT / 塗膜 / 文化財 / X線CTスキャナ / 漆 / CT / 刻苧 / 文化財科学 / X線 |
研究成果の概要 |
異なる有機材料からなる複数の塗膜について、X線CTスキャナを用いて調査し、そのヒストグラムを検証した。その結果、塗膜の材料によっては異なるヒストグラムパターンとなる範囲があることが分かった。次に、ヒストグラムの中で塗膜の質量に由来するピークについて抽出したところ、CTデータ内で特定の塗膜のみを現すことができた。 CTは塗装を有する大きな部材を短時間で計測できることから、目視による観察や1点1点の分光分析よりも短時間かつ一度の調査で判別できる可能性がある。これまでCTによる調査では材料の状態調査を主として行っていたが、本研究の成果によって、材料調査も同時に可能となったと考えている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CTスキャナは非破壊非接触で資料の内部調査が有効であることから、漆塗りの工芸品や、表面に彩色が施された仏像の内部の劣化状態の観察が主な目的とされてきた。一方で表面の塗装については、他の分析に依存することが多く、塗膜があることの認識にとどまっていた。本研究成果は、同一資料の中で異なる塗装材料を用いている場合の区別化が可能となったこと、ポイント分析ではなく資料の表面・内部全てに対して検証が可能となったことである。この方法によって、今後は塗膜のヒストグラムの違いについても着目することで、より資料全体に対してマクロな視点から文化財を見ることができるようになる。
|