研究課題/領域番号 |
16K01231
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
加地 太一 小樽商科大学, 商学部, 教授 (60214300)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 最適化問題 / 組合せ最適化 / メタヒューリスティクス / アルゴリズム / 粒子群最適化法 / 確率的解析 |
研究実績の概要 |
システムの設計、計画、運用などで最適化手法を取り込むことは有効であり、システム上で最適化は欠かせないツールである。しかし、最適化問題は線形、非線型、組合せなど緻密なクラスに分類され、その解法は様々な方法論をとる。したがって、知識のないものにとってその利用は難しいと言える。これに対して、問題を意識せず利用できる汎用型最適化アルゴリズムが存在すれば、あらゆる分野において最適化の活用を推し進めるであろう。その汎用型ソルバー構築のために、粒子の動きにヒントを得た粒子群最適化法(Particle Swarm Optimization、PSO)に着目する。ただし、高次元な問題に対してその能力は十分に発揮されず、扱える問題は連続関数に限られている。 本研究では、高次元な問題でも精度の高い解を求め、かつ離散的問題に対応し、汎用化に耐えうる能力をもつ汎用的問題解決能力型の粒子エージェントを開発する。特に、粒子の移動にロングジャンプを伴う特徴的な能力を与え、かつ粒子群の再構築により多様性を与えるなど高次元な問題に対するアルゴリズムを提案し幾つかの問題に対して良好な結果を得ている。 本年度は、ベンチマークの問題のクラスを広げ、離散的問題に対応し、汎用化に耐えうる能力をもつ汎用的問題解決能力型の粒子エージェントのパフォーマンス、限界などを検証した。様々な問題に対し検証を行い、問題点、改善点などのデータを得ることに努め、広く多様な問題に対応できることを示した。また、離散的問題に対応するためのペナルティー関数の開発に関して新たな提案、実験を行い離散的問題への対応をはかった。さらに、解(粒子)の移動を定義する近傍に関して、数理的な解析を行いつつある。それにより、粒子の移動の性質、性能を明らかにし、より有効な解の移動を構築し、かつその解の移動の良し悪しを論じたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PSOの能力を向上させるため、広く探索を行わせる戦略(多様化)、かつ良い解の周りを集中的に探索する戦略(集中化)を強化した粒子の移動制御システムを開発することにより、探索力が強化された粒子エージェントが作り上げられた。また、粒子群がもつ情報を意図的に更新することにより過去の情報に束縛されず広い探索が実現され、優位な解に到達できることが可能となった。さらに、連続変数上において、ペナルティ関数を用いた拡大目的関数により離散構造を表現し離散的最適解を求めつつある。 現在、ベンチマーク問題を各種問題に展開し数値実験が行われ、客観的に高次元における性能が検証された。その実験を通して、提案された粒子移動、および粒子群情報再構築によるPSOの可能性、問題点などを調査、検討し、そのパフォーマンス、限界などを検証した。また離散的問題に対応可能な粒子エージェントを開発し、連続問題しか扱えないPSOを離散的問題に対応させるため、ペナルティ関数を導入し、その性能などのデータを検討し、幾つか問題に対して有効な結果が得られている。 しかし、基本的なベンチマーク問題の幾つか対して必ずしも詳細な数値実験が及ばず、客観性を得るためには、多様な問題に対する数値実験の検証を必要としている。また、ペナルティ関数の開発においてもさらに詳細な検討が必要な段階である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、さらに汎用性を明らかにするために、広く多様な問題に対して数値実験を行うため、実験環境の整備を行い、客観的な検証を進める。研究では、より広く、体系的(各手法、各種問題、問題の大きさ、問題の次元、定義域など)にデータを集め、PSOのパフォーマンス、求まる究極点、PSO自身の限界を含めて解析し総合的かつ一般的な見解を示す。また、外面的なデータだけでなく多様化、集中化などを示す活性度など内部的なデータも捉えその特徴を明らにし、効果的な探索を可能とする特性を解明する。 また、ペナルティ関数による効果、影響などのデータを参考に、離散構造においても探索可能な粒子エージェントを検討したい。ここでは、評価値、活性度、探索領域などとペナルティ係数の因果関係を鑑み、ペナルティ関数、およびその係数の振る舞いにより有効な解へ導く制御ルールを見出し、各粒子エージェントにその知識を与えることにより離散的問題を解決する。 PSOでは、多くのパラメータによって制御され、その値によって求まる評価値が決まる。その値は実験的に判定し推奨される。しかし、その組合せは膨大であるため必ずしも洗練されていない。そこで、本研究では、様々なパラメータの組合せに対して、網羅的にデータを集め、パラメータによるアルゴリズムの挙動を明確にする。それにより安定した探索を行うための推奨値を示していく。 さらに、解(粒子)の移動を定義する近傍に関して確率的なモデル化を行う。粒子の移動に関して数理的な解析を行い、その性質、性能を明らかにしていく。これにより、より有効な解の移動を見出し、かつその解の移動の良し悪しを論ずることを可能としていく。
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