研究課題/領域番号 |
16K01346
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体医工学・生体材料学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
前田 英次郎 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20581614)
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研究協力者 |
木村 俊介
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 腱 / 腱細胞 / 炎症応答制御 / 細胞張力 / 膜流動性 / インターロイキン1ベータ / メカノバイオロジー / 炎症 / 炎症反応 / 細胞外基質 / 剛性 / 細胞膜流動性 / 細胞内張力 / 機能的適応 / バイオメカニクス / 細胞力学場 |
研究成果の概要 |
本研究では細胞張力や細胞膜流動性が炎症性刺激に対する応答に及ぼす影響を検討した.剛性を変えたPDMS製マイクロピラーデバイス上でIL-1b刺激を3日間与えたウサギアキレス腱由来腱細胞ついてコラーゲン分解酵素MMP-1の遺伝子発現を調べた.低剛性基板の腱細胞ほど同一濃度のIL-1bに対するMMP-1発現量が高いことがわかり,また,細胞膜流動性は低いことが示された.低剛性基板に播種された腱細胞は細胞張力が低下し細胞膜上のサイトカイン受容体等の膜タンパク質の空間密度が上昇し,膜の流動性が低下する.これによって受容体同士が凝集し,同じ濃度のIL-1b刺激に対しての応答性が上昇した機序が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,細胞周囲の力学環境が細胞の張力のみならず細胞膜の力学特性にも影響を及ぼし,それらは細胞外からの刺激因子に対する応答性に大きな影響を与えることを示した点にある.基板剛性に由来する細胞張力の低下は,過負荷による腱組織内での局所的な破断に伴って腱細胞から力学刺激が失われた状態に近いと考えられることから,本研究で示唆された機序は過負荷が作用した腱組織において組織分解・変性が発症・進行するメカニズムを示唆するものと考えられる.このことから,それらの症状に対して細胞張力や細胞力学環境に焦点を当てた予防法や治療法が有効であることを示した.
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