研究課題
基盤研究(C)
複数のがん細胞株にFNγで刺激してPD-L1の発現を亢進させたうえで、ハイパーサーミア(温熱処理)の影響を検討した。その結果、がん細胞株によって発現が増強する細胞株と発現が減少する細胞株もあり、全体としては発現抑制の傾向は認めるものの断定するには至らなかった。そこで、IFNγの前刺激なしでPD-L1の発現に対する温熱処理の影響を検討した。その結果、がん細胞のPD-L1の発現は増強した。そのメカニズムについては、我々の検討では、温熱処理によりがん細胞からのIFNγの産生が亢進することを明らかとし、この温熱刺激によるIFNγがautocrine的にPD-L1の発現を増強していると推察した。
現在注目されている免疫チェックポイントの阻害方法は、それぞれのリガンド(キラーTリンパ球上のPD-1、癌細胞上のPD-L1)を抗体でブロックする方法である。本研究では、抗体ではなく、腫瘍を加温することで腫瘍組織内の癌細胞上のPD-L1の発現の変動を検討することにより、免疫チェックポイント阻害剤の適応や使用容量を適切にすることが可能である。場合によっては、高額な免疫チェックポイント阻害剤(抗体)の使用量を減じることも可能で、医療経済へ及ぼす影響も見逃すことはできない。
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 2件、 招待講演 15件) 図書 (1件)
Cancer Immunol Res.
巻: 6(3) ページ: 1-12
Int J Cancer
巻: 142 号: 12 ページ: 2599-2609
10.1002/ijc.31285
Oncol Rep
巻: 36 ページ: 1093-100
Bulletin of the Faculty of Health and Medical Sciences, Kyoto Gakuen University
巻: 1 ページ: 13-19
120006332962