研究課題
基盤研究(C)
当院に通院する生活習慣病の患者からDNAを抽出し次世代シークエンサーでDNA解析を行ったところ単一遺伝子病としての脂質異常症の原因遺伝子であるPCSK9やLDLR遺伝子の多型を一定の割合で認め、生活習慣病においてもこれらの遺伝素因が心血管リスクと関連し、残余リスクの少なくとも一部を説明していることが示唆された。また、エクソーム解析により心血管疾患との関連性や変異自体の報告がない遺伝子変異を保持する症例を認め、機能解析で遺伝子産物の酵素活性の低下を確認した。
比較的稀な単一遺伝子病の原因遺伝子に認められる高頻度の遺伝子多型が心血管疾患リスクに一定の影響を与えていることが示唆されたことで、今後症例数を増やした検討によってそれらの遺伝情報を取り入れたより精度の高い生活習慣病患者の心血管リスク評価法の開発が期待できる。また、全く予期しない遺伝子変異を同定しその機能解析から何らかの病態に関与していることが示唆された。今後更に症例数を増やした遺伝疫学的解析と、個体レベルでの機能解析を組み合わせることによって、心血管疾患発症における役割の解明のみならず新規治療法の開発につながることが期待される。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Diabetes
巻: 66 号: 10 ページ: 2713-2723
10.2337/db17-0301
40021637919