研究課題
基盤研究(C)
本研究課題「COPD感受性因子である糖転移酵素Fut8の発現制御のエピジェネティクス解析」では、糖転移酵素、alpha1,6 fucosyltransferase (Fut8) 変異マウスに見られた肺の発育不全や喫煙曝露による肺気腫の早期発症などの表現系に着目し、喫煙誘導肺気腫の発症と密接に関係するFut8の発現調節をエピジェネティクスの観点から解析することで、糖鎖を作る糖転移酵素遺伝子がどのように病気特異的に発現しているかを明らかにすることを目的としている。Fut8遺伝子発現を司る転写因子の同定をするために、細胞を用いたプロモーター領域の解析において、ルシフェラーゼレポーターアッセイによりFut8の発現を支配する重要なDNA領域の同定に成功した。またFut8のプロモーター解析では、タバコ抽出液の処理によってFut8の遺伝子発現が抑制性クロマチンマーカーH3K27me3と強く相関することを明らかにした。Superoxide Disumutase(SOD)は喫煙によって生産される酸化ストレスの一つ、活性酸素であるスーパーオキシドを解毒する反応系を触媒する酵素であるが、その発現の有無は生体のレッドクス応答に影響を及ぼす。そのSOD-/-マウスにおいて、発現レベルの低下とともにFUT8の酵素活性が減弱することがわかった。このことから、酸化ストレスと糖鎖遺伝子の発現が密接に関わっていることが示唆された
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件)
American Journal of Physiology Lung Cellular and Molecular Physiology
巻: 312 号: 2 ページ: L268-L276
10.1152/ajplung.00151.2016
Clinical Science
巻: 130 号: 20 ページ: 1781-1792
10.1042/cs20160273