研究課題/領域番号 |
16K01949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基盤・社会脳科学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
石橋 智子 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (50453808)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | パラノーダルジャンクション / 小胞体ミトコンドリア近接領域 / プルキンエ細胞軸索 / 髄鞘(ミエリン) / IP3R1 / ミエリン / プルキンエ細胞 / 軸索腫脹 / カルシウム / 髄鞘 / 軸索 / ER |
研究成果の概要 |
有髄神経軸索のランビエ絞輪両隣には、活動電位発生に関与する電位依存性チャネルの局在化に必須の構造、髄鞘-軸索間結合paranodal axoglial junction(AGJ)が存在する。本研究では、AGJ形成が軸索表面の膜タンパク質の局在化のみならず、軸索内部の小胞体(ER)および小胞体―ミトコンドリア近接部位(MAM)の分布にも影響を及ぼすことを明らかにした。AGJ形成不全軸索では、ERに局在するカルシウムチャネルIP3R1の集積が軸索局所に認められ、この集積を引き金に軸索腫脹を引き起こす。すなわち、AGJが軸索内カルシウム恒常性維持に極めて重要な役割を担っていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊椎動物神経軸索の多くは、生後軸索周囲に髄鞘を形成することにより跳躍伝導を可能にする。しかしながら一旦形成された髄鞘が障害を受けると、無髄軸索に戻るのではなく軸索変性が生じる。軸索に髄鞘を繋ぎ止める部位であるAGJは、損傷を受けやすい構造であり、わずかなAGJの崩壊が限局した軸索腫脹を引き起こすことが本研究から示唆された。また、軸索腫脹の引き金が、カルシウム恒常性維持に関与する分子IP3R1の軸索局所での過剰発現であることを示し、IP3R1の発現を抑制すると軸索腫脹およびその後の神経細胞死を改善することができた。この結果は多発性硬化症など脱髄性疾患の初期病態を理解する一助となると考えられる。
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