研究課題
基盤研究(C)
社会的状況における意思決定には、長期的な視点での将来予測が必要である。中脳ドーパミン細胞は長期的な報酬情報を表現し、その情報を大脳辺縁系や大脳基底核に送っており、線条体の投射細胞は長期的な行動の価値をコードし、適切な行動選択に関わっているが、それらの機能的トポグラフィは明らかでなかった。ニホンザルから記録したドーパミン細胞および線条体投射細胞の活動から、ドーパミン細胞には背外側-腹内側軸に沿った長期的報酬価値表現のトポグラフィがみられるが、その情報を受ける線条体投射細胞の活動はそれらを単純に反映しておらず、皮質や視床からの入力も含めた、より複雑な将来報酬情報を表現していることが示唆された。
この研究成果は、社会的状況などの長期的な将来予測が必要な環境において適切に振る舞うための神経システムの解明に貢献する。特に、ドーパミン細胞とそれらが情報を送っている大脳辺縁系や大脳基底核が関わる意思決定や行動選択に関わる神経回路の機能理解に寄与する。また、それらの神経機能の不調が原因であろうと考えられる運動障害や、依存症や強迫神経症、不安神経症などの神経疾患の解明に役立つことが期待される。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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