研究課題
基盤研究(C)
線条体は大きな神経核であり、運動制御に加え、行動決定や強化学習に関わる。また線条体は機能領域に分かれ、アセチルコリンは機能領域を特徴づける主要な因子である。背側線条体では、ニコチン受容体依存性にGABA性抑制性入力を誘発した。このニコチン受容体の作用はストリオソームで弱く、ニコチン受容体関連薬により領域特異的に調節できることを示した。また情動に関わる神経核と連絡の多い尾側線条体では、アセチルコリンとオピオイドが協調して、興奮性入力の長期抑圧現象を誘導することを見出した。これらの結果は、運動異常、あるいは行動異常だけを緩和する方法を開発するうえで役立つ情報である。
線条体は、運動から行動、情動といった多くの機能を担っている。そのため多くの疾患にも関わる。ドーパミンやアセチルコリンは線条体の強力な調節因子であるが、線条体全てに強く作用してしまうため、運動だけ、あるいは行動異常だけを治療することは困難である。。機能領域に特異的な生理的、薬理的作用が分かれば、特定の機能だけを調節できる可能性がある。新たな治療法のために役立つ情報といえる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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