研究課題/領域番号 |
16K01958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基盤・社会脳科学
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研究機関 | 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 |
研究代表者 |
川脇 沙織 (田中沙織) 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究室長 (00505985)
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研究分担者 |
成本 迅 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30347463)
酒井 裕 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (70323376)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 強迫性障害 / 強化学習 / 衝動性 / 強迫性 / 数理モデル / 精神疾患 / 疾患 / 計算論的精神医学 |
研究成果の概要 |
強迫性障害の数理モデルとして、不安な状態から強迫行為を行うことで不安のない状態に戻るという2状態間の遷移問題を設定し、シミュレーションおよび実験による検証を行った。その結果、正・負のTD誤差を用いた学習パラメータの関係が非対称の領域では、強迫性障害の症状が発生すること、さらに意思決定課題実験から推定した正・負のTD誤差を用いた学習パラメータが健常者では対称な領域に、強迫性障害患者では非対称な領域に分布することを明らかにした。強迫性障害患者ならびに健常者の安静時脳活動データ解析から、上記のパラメータの非対称性が、直接路・間接路の機能異常によって生じる可能性を示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で得られた結果と、当研究室の先行研究により人為的にセロトニンのレベルを変化させると負のTD誤差に対応するeligibility traceパラメータの値が変化するという実験的結果から、強迫性障害の治療薬として用いられることの多いセロトニン再取り込み阻害薬に代表されるセロトニン機能を改善させる薬物治療は、非対称のeligibility traceパラメータを対称の領域へ戻す変化を起こしている可能性が示唆された。今回検証した実験課題と解析プロトコルは、より症状の定量的な評価を可能とし、効果的な治療法の提案などに貢献することが期待できる。
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