研究課題/領域番号 |
16K01960
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳計測科学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
地本 宗平 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80324185)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 非対称音 / 音知覚 / 高次聴覚野 / 単一細胞記録 / 二次聴覚野 / 後部聴覚野 / 自然音 / 音色 / 大脳皮質聴覚野 / 非対称性知覚 / ramp音 / damp音 / 音圧振幅 / スパイク応答 / 音色知覚 / 非対称 / 振幅 / 一次聴覚野 / 神経科学 |
研究成果の概要 |
時間と共に音圧が減少する振幅変調音(damp音)と時間軸上で反転させた音(ramp音)を聞くと異なる音知覚が生じる。一次聴覚野(A1)細胞の内、急速な音圧変化に感受性を示すedge細胞は応答の振幅と持続時間が両刺激で異なっていたが、知覚の非対称性をすべて説明することはできなかった。高次聴覚野でこの非対称音に対する応答を調べた結果、A1同様の速度感受性を示す細胞群と、音圧下降あるいは音圧上昇スロープで発射頻度を増加させ、音圧変化の方向感受性を示す細胞群が存在することを初めて発見した。これらのニューロン群が、A1のedge細胞と共に音圧変化の非対称知覚の神経基盤を形成する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで多くの聴覚野研究が麻酔下で行われてきた。しかし覚醒中では麻酔下と異なり、ニューロン反応の時間応答の多様化があることが知られている。本研究ではこれまで不明であった正常に活動中の覚醒動物において時間的に非対称な音刺激に対する高次聴覚野の単一ニューロンレベルを明らかにした。また振幅包絡変化の符号化というヒトや動物が音声コミュニケーションを行なう上で、最も重要な機能が大脳一次聴覚野を経て異なる高次聴覚野の特定の細胞群において遂行されていくことを示した。本研究によって解明された高次聴覚野による音色処理機構は音刺激から認知に至る今後の大脳高次聴覚野機能研究の礎の一つとなると考える。
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