研究課題
基盤研究(C)
大脳基底核と呼ばれる脳の領域の中には、線条体と呼ばれる領域が含まれている。線条体は自らの意思で動こうとする随意運動の制御に重要であることが知られている。線条体に他の脳領域から信号が伝わると、他の脳領域にその信号を伝えようと線条体の細胞は反応する。この反応には、シグナル伝達分子と呼ばれる分子が活性化することが重要である。シグナル伝達分子の活性化と運動と神経の活動との関係を明らかにするため、遺伝子組換え技術を利用して、活性化したシグナル伝達分子をマウスの線条体に発現させ、運動と神経活動の記録を行った。シグナル伝達分子の活性化は、線条体からの信号を増強し、運動を促進させることが明らかとなった。
大脳基底核はパーキンソン病やハンチントン舞踏病などの重度な運動障害を示す疾患と深く関わっており、線条体は創薬の標的となってきた領域である。線条体におけるシグナル伝達分子を活性化させたところ、線条体からの信号を増強し、運動を増加させたという研究成果を得たが、この結果は、このシグナル伝達分子が創薬の標的となることを示唆している。この研究成果を元に、シグナル伝達分子に作用する化合物などが合成されれば、大脳基底核に関連する運動障害を示す疾患の治療に繋がる可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 3件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (25件) (うち国際学会 12件、 招待講演 6件)
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