研究課題/領域番号 |
16K01973
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中西 徹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30227839)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | フィリピン / 弱者 / グローバル化 / 分割統治 / 社会ネットワーク / 貧困 / 分割統治戦略 / 食生活 / 中間層 |
研究成果の概要 |
発展途上国の政治経済は,「冷戦」を挟んで,大きな変動を遂げてきた。たしかに,21世紀以降,「グローバル化」が深化するなかで,「貧困緩和」に大きな前進がみられた。しかし,他方において,国内においても,国際間においても,所得や資産の分配の悪化が顕著となり,「格差拡大」が生じている。それは,超富裕層(強者)による他の階層(弱者)間の対立を利用した分割統治をとおして,持続していく可能性も指摘されている。本研究は,食と健康に着目し,この条件下における弱者の対抗戦略としての有機農業の可能性について検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,(1)分割統治という超富裕層の表面には現れにくい戦略の可能性に着目し,参与観察と質的データ解析によって,弱者の新しい生存戦略を提示する,(2)開発研究において重要性は指摘されながら,分析が進んでいなかった「非経済的便益」について「社会関係」という代理指標を使うことによって,社会関係自体の緊密化が人々の「福祉」(well-being)を改善し得ることをあきらかにし,「社会関係資本論」に新しい視角を提示する,(3)新しい戦略オプションを用意することによって,貧困層のより能動的な開発への参加の誘発に寄与する,という諸点において,学術的,社会的意義があると考える。
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