研究課題/領域番号 |
16K01978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
太田 至 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (60191938)
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研究協力者 |
アガデ ケネディ・ムクトゥ
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ケニア / トゥルカナ / 石油開発 / 鉱物資源 / 土地収奪 / 環境破壊 / 多国籍企業 / 地元社会への影響 / アフリカ / 紛争 |
研究成果の概要 |
本研究は、ケニア北西部のトゥルカナ郡で実施されている石油の探査・開発事業が、地元社会に及ぼす影響を多面的に解明することを目的とした。牧畜に依存する地元民は、この事業の実施によって家畜放牧や水場利用のための移動を大きく制限されたと感じている。地元民はまた、油井から出る廃棄物が環境を汚染し、家畜や人間の流産が増加したと考えている。企業は地元民に対してさまざまな支援をおこなってきたが、その不満を解消できず、両者間には多くの衝突が生起している。企業と中央政府、地方政府、地元社会のあいだで相互理解が形成されないまま、事業が進められているという構造的な要因も影響し、地元社会は大きな不利益をこうむっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アフリカにおける鉱物資源の開発は、土地収奪や環境破壊、地域紛争など、多くの問題を引き起こしてきた。これを扱った研究の多くはマクロな統計資料に依拠しており、開発の現場でいかなる事態が発生しているのかを現地調査によって解明した研究は少ない。本研究は、トゥルカナ郡で長期的な研究を継続し、現地の生活や文化をよく理解している研究代表者の太田と、ケニアの法律や政治状況をよく知る研究協力者のムクトゥの共同作業をとおして、石油開発が地元社会に与える不利益の実態と、その構造的な原因を包括的に解明した。これは学術的な貢献をしただけでなく、資源開発が有する負の側面を明らかにした点で、社会的にも大きな意義をもつ。
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