研究課題/領域番号 |
16K01997
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
下野 寿子 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (40294607)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 福建省 / 地方幹部 / 台湾工作 / 経済発展 / 台湾資本 / 両岸経済関係 / 台湾 / 対台工作 / 経済開発 / 習近平 / 両岸農業協力 / 台湾農民創業園 / しょう州(Zhangzhou)市 / しょう浦(Zhangpu)県 / 両岸農産物貿易 / 省幹部 / 福建省と台湾 / 福建省南部 / 改革開放 / 地方政府 / 中台関係 |
研究成果の概要 |
本研究により以下の知見を得た。第一に、台湾との繋がりを強調する福建省の諸政策やフォーラムを考察し、台湾政策、対外開放、経済開発が重なり合う傾向を指摘した。台湾政策の推進は、中央から政策支援を受けて経済開発を推進する機会を福建に提供した。第二に、福建省は台湾からの対中農業投資の受け入れが最多であるため、農業投資の観点から台湾政策を考察し、台湾人の祖籍地であるZhangzhouなどは、台湾の農業投資に技術移転などの効果を認めていたことがわかった。第三に、地方幹部が政策に与える影響を検討するために福建省時代の習近平を考察し、彼の積極的な政策関与が省北部の経済発展につながったことを検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的・社会的意義は、中台関係の問題とは統一をめぐる当局間の政治問題に集約されるわけではないことを、具体例で示したことにある。この研究では、中国の台湾への働きかけ(対台工作)の変遷と、それが地方政府に及ぼした影響について福建省の状況を一定程度明らかにした。福建省は台湾人の祖籍地といわれるが、同じ省内であっても、地域性や経済発展状況によって台湾との経済協力をめぐる政策や台湾認識の面で差異が観察された。中台経済関係構築の現場となる地方に注目すれば、政策の宣伝と実態とのギャップを認識し、対台工作に関与することで獲得が期待される、地方政府にとってのメリットを窺い知ることもできるのである。
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