研究課題/領域番号 |
16K02027
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
|
研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
卯田 宗平 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 准教授 (40605838)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 鵜飼 / ドメスティケーション / 動物利用 / 生業技術 / 日本 / 中国 / 北マケドニア / 北マケドニア共和国 / 人工繁殖 / カワウ / ウミウ / 民俗学 / 動物と人間 / 人類学 / 地域研究 / 文化人類学 |
研究成果の概要 |
本研究の成果は大きく二つある。ひとつは、京都府宇治市の宇治川の鵜飼を対象とし、四年間継続した観察調査にもとづいてウミウの繁殖技術を初めて明らかにしたことである。そのうえで、中国の鵜飼におけるカワウの繁殖技術との対比から宇治川の技術の特徴を導きだした。もうひとつは、北マケドニア共和国ドイラン湖を対象とし、旧ユーゴスラヴィア時代におこなわれていた鵜飼の技術を復元し、鵜飼が生業として成立していた条件を明らかにしたことである。この研究では、ドイラン湖の鵜飼は初冬に捕獲した野生のカワウを漁で利用すること、一連の操業において複数の漁師が個々の役割を分担することといった特徴があることを初めて明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、鵜飼文化の継承を検討するうえで重要になる。現在、動物保護の思想が強まりをみせ、動物利用のあり方が問われている。鵜飼文化に関しても将来的に野生個体の利用が困難になる可能性もあり、文化継承に大きな影響を与える。こうしたなか、ウ類の繁殖技術を記録しておくことは、予期せぬ事態に直面した際に繁殖個体の利用という選択肢をとれる。ことにウ類の繁殖生態の記録はこれまでなかった。こうした時代背景のなか、正確な記録は鵜飼の継続や再現のための基礎的な情報になり、飼育環境のエンリッチメントを検討するための根拠にもなる。ウ類の繁殖生態や飼育技術を当事者とともに分析しておくことの意義はここにある。
|