研究課題/領域番号 |
16K02051
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
水戸部 由枝 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (20398902)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 東ドイツ / 社会国家 / セクシュアリティ / 性病 / 産児制限 / 占領軍兵士とドイツ人女性 / 性教育 / ライフコース / ドイツ社会国家 / 性規範 / 性病問題 |
研究成果の概要 |
ソ連占領期の最重要課題の一つは、ベルリン陥落直後の大量レイプと戦時期から続く性病蔓延の問題解決であった。その際に形成された性規範は、東ドイツの国家・社会・家族構造の基盤となり、社会主義統一党指導者や国家保安省は、徹底して性を管理・監視しようとした。しかし1960年代半ば以降、この抑圧に対する人びとの不満は徐々に高まり、国家は社会主義体制を維持するため、譲歩せざるをえない状況に追い込まれていく。本研究では、東西ドイツ比較を試みつつ、独裁政治・相互監視社会・全体主義国家における性の管理・監視体制の実情とその限界、さらに性をめぐる個人・中間組織・国家の関係性、いわば社会国家性について考究する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本における東ドイツ研究は西ドイツ研究よりも相対的に少ない。なかでもセクシュアリティ史研究は、Harsch、Herzog、McLellanの研究の他ほとんどみられない。こうしたなか、①東西ドイツ比較研究を同じ分析レヴェル・分析視角で一次史料をもとに行ない、②異なる政治体制下での相違点ばかりか共通点を明確化し、③東ドイツ研究を通じて西ドイツのような資本主義社会の問題性を探り、④また社会国家性という理論的枠組みをつかって、セクシュアリティをめぐる個人・社会・国家の新たな関係性を示唆する本研究は、戦後ドイツ史研究の可能性を拓くばかりか、今後日本の社会と国家のあり方を模索するうえでも重要であろう。
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