研究課題/領域番号 |
16K02116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
金山 弥平 名古屋大学, 人文学研究科, 名誉教授 (00192542)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 探求 / 懐疑 / プラトン / ソクラテス / 文字 / 『パイドン』 / 『饗宴』 / 『ティマイオス』 / 『テアイテトス』 / 自然学 / 宇宙論 / 考察 / 対話 / 記憶 / 数学 / 倍積問題 / 幸福 / 仮設 / ストア派 / 仮設法 / 魂 / 知識 / 感覚 / 古代懐疑主義 / スケプシス / 哲学 / 西洋古典 / 倫理学 |
研究成果の概要 |
プラトンの探求精神はソクラテスに遡り、アカデメイアにおいて懐疑主義に繋がる。その過程を(1)『パイドン』のソクラテスの最後の言葉に認められるソクラテスからプラトンへの探求(哲学)の継承、(2)プラトンが用いた蝋の書き板が探求の道具としてもった有用性、(3)『饗宴』に見られる探求者同士の恋(愛、エロース)が共同探求を推進する働き、(4)『ティマイオス』の自然学探求がプラトン哲学全体においてもつ意味、(5)ギリシアの「探求(スケプシス)」と中国の「道」の概念をめぐり、探求を基礎とするギリシアの懐疑の積極的意味と中国の懐疑の否定性の論点に集中して研究を行ない、それぞれの論点について成果を出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「研究成果の概要」で挙げた(1)~(5)のそれぞれにつき、新解釈を提出、また将来の研究の基礎となりうる成果を上げた。(1)刑死を前にしたソクラテスの最後の言葉の新解釈を、孔子とその弟子との関係も考慮に入れて提示、(2)文字の発明と蝋の書き板の利用を軸にして『テアイテトス』における記憶モデルについても新解釈を提出、(3)プラトンが示す恋愛観が利己的なものとする多くの解釈を批判し、親子の愛も考慮に入れ、哲学的愛に関わるプラトンの思想を析出、(4)『ティマイオス』の色彩論に関する新解釈を提出するとともに、新たな翻訳を作成、(5)懐疑を焦点しつつ、中国思想とギリシア思想の根本的な相違を示した。
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