研究課題/領域番号 |
16K02123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
入江 幸男 大阪大学, 文学研究科, 名誉教授 (70160075)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 心の哲学 / メタ倫理学 / ドイツ観念論 / 超越論的論証 / マクダウェル / ブランダム / デイヴィドソン / 問答論的矛盾 / コミュニケーション / 嘘の禁止 / 意思の自由 / 道徳的責任 / 法的責任 / 問答論理 / 推論主義 / 心脳二元論 / 心脳一元論 / 心の一元論 / 脳の一元論 / 自由意志論 / 道徳命令の正当化 / 刑法の正当化 / 国家契約論 / 物理主義 / 価値実在論 / 問答意味論 |
研究成果の概要 |
脳研究やAI研究の発展を受けて、ドイツ観念論を参照しつつ、心の哲学の諸立場と道徳論・法論の諸立場がどう結びついているのかを考察し、もっとも有望な組み合わせを探求することが、本研究の目的であった。ドイツ観念論の道徳論は、現代哲学で言う<非自然主義的で認知的な道徳>に属することを確認した。またドイツ観念論を生かす一つの方法として、ドイツ観念論の「超越論的論証」をもとに「問答論的超越論的論証」を考え、それをもとにコミュニケーションの超越論的条件として道徳的な規範を正当化するということを試みた。これは『問いを問う』(仮題)として出版の予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳研究やAI研究の発展を受けて、私たちの社会は、近代国家の登場して以来の大きな変化を迎えようとしています。それはAIや脳研究が、個人の意志の自由を脅かし、道徳や法規範、またひいては人権や民主主義の新しい正当化を求めているからです。そこで本研究では、心の哲学の成果を踏まえた上で、シンギュラリティ以後の時代の道徳や法の正当化論を構築するための手がかりを得ることを目的としました。コミュニケーションの問答研究に依拠して、新しい問答論的超越論的論証を構想しました。権利概念についても、所有権を基礎にするのではなく、問答の権利を基礎にして再構築する可能性を発見しました。
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