研究課題/領域番号 |
16K02135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
荻野 弘之 上智大学, 文学部, 教授 (20177158)
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研究分担者 |
佐良土 茂樹 日本体育大学, 総合スポーツ科学研究センター, 研究員 (40711586)
辻 麻衣子 上智大学, 文学研究科, 研究員 (40780094)
中村 信隆 上智大学, 文学研究科, 研究員 (60823367)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 幸福論 / よく生きる / 人生の意味 / アリストテレス / ヘレニズム哲学 / カント / 功利主義 / 倫理学 / 徳論 / ヘレニズム / 幸福 / フロネーシス / 幸福度の概念 / 自然主義 / メガロプシュキア / 幸福度の測定 / 徳倫理学 / モラル・サイコロジー / メタ倫理学 |
研究成果の概要 |
(1)幸福主義の源泉であるアリストテレス倫理学研究の進展。複数の倫理学書を総攬することで「包括主義」対「卓越主義」の論争に対して調停的な読解の可能性を探った。(2)ヘレニズム時代とローマ期ストア哲学の幸福論の読み直し、特にエピクテトスの現代的読解の可能性を開拓した。(3)1980年代以降の徳倫理学の隆盛は哲学史的研究の深化と連動しているが、コーチングを哲学的に基礎づける新しい試みを開拓しつつある。(4)「人生の意味」を問題とする倫理学の傾向に対して、幸福の概念を幸福感という主観的要素に還元しようとする前提の妥当性を検証した。(5)これは昨今経済学で言及される「幸福度」の指標の批判に通じる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は「幸福とは何か」という倫理学発生以来の問いに対して、最終的な解決を齎す一義的な回答を与えることが目標ではない。むしろ「幸福とは何か?」という問いがいかなる背景や前提をもってなされているのか、という、いわば「問いの意味」を分析する、メタ倫理的な考察こそが重要であり、そのために、歴史的・思想史的なサーヴェイと、より原理的な日常言語と、モラル・サイコロジーの分析手法が必要とされるのである。この作業を通じて、昨今の安易な幸福論の独断的な主張を批判するいくつかの視点を確保することができたのであり、それは狭く学会や講壇哲学ではなく、より広く市民的な哲学活動にも役立つと考えられる。。
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