研究課題/領域番号 |
16K02144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
長滝 祥司 中京大学, 国際教養学部, 教授 (40288436)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 身体性 / 暗黙知 / 傷つきやすさ / 自然化可能性 / 身体動作 / 被傷性 / 危険の変容 / 認知現象学 / 自然化 / 志向性 |
研究成果の概要 |
現象学が身体性や志向性という概念を使って明らかにしてきたように、人間の日常経験は意識されない知覚や行動が多くを占める。またそれらは主として身体的な暗黙知を基礎としている。本研究は、人間性の自然化の方法を拡充深化するという見地から、そうした暗黙知の解明をめざした。暗黙知のなかでも特に、人間が無意識に行っている他人の心的状態や心的傾向性の理解といった技能に焦点を当てた。本研究は、この技能の記述的・経験的な解明という観点から、人間性の自然化可能性を探求した。さらに、この自然化可能性を倫理的観点から検討することによって、人間と知的能力をもった機械との共存可能性を探究する基盤を提供した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、暗黙知の技能の記述的・経験的な解明によって、人間性の自然化可能性について新たな示唆を提示した。とくに、身体を触覚性と傷つきやすさの観点から捉え直すことで、人間性の自然化と、人間と自然(物理的事物)との関係性といった問題に固有の倫理的意味をあたえた。以上を前提に、人間性の自然化と倫理の問題を結び付けることによって、知的機械との共存といった新たな課題の端緒に到達した。AIやロボットの倫理という問題は現在盛んに議論されているが、本研究は、既存の論点とは異なる観点を提供できたという点に学術的な意義がある。
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