研究課題/領域番号 |
16K02148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 名古屋大学 (2018-2021) 関西福祉科学大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
鈴木 真 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (30536488)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 福利・厚生 well-being / 幸福 / 不幸 / 心理学と倫理学 / 感情価 hedonic tone / 個人的価値 personal value / 個人間比較 / 人口倫理 population ethics / 禍・不幸 / 福・幸福 / 倫理学 / 価値実在論 / 自然主義 / 福利 / 価値 / 個人的価値 / 福利主義 / 志向性 / 直観 / 規範的理由 / 感情価 / 自然主義的実在論 / 理論選択 / 人口倫理 Population Ethics / 福利の集計 Aggregation / 価値の正と負 Value Bipolarity / 主体相対的価値 / 福利主義 Welfarism / 自然主義 Naturalism / 人口倫理 / いとわしい結論 / 嗜虐的な結論 / 哲学 / 経験科学 |
研究成果の概要 |
(1)人口倫理の諸難問の解決策として、人口の福利の総和(と一個人当たりの福利)が負から正に移る時に優先される福利の集計原理が総和型から平均型に替わるという説を提示し暫定的に擁護した。(2)福利を含む個人的価値とその正負の理論として、ある存在の感情価をもつ心理的反応の志向的対象となる事態がその存在の個人的価値であるとする説を提示して擁護した。(3)個人的価値について、科学による探究が可能なものとして実在するという自然主義的実在論の立場を擁護した。(4)個人的価値について主観説をとると、その個人間の比較や集計が不可能になる(または、無意味になる)という趣旨の諸議論を、自然主義的な立場から論駁した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、あまり注目されてこなかった、福利の負の側面としての不幸の本性とその評価の問題を特に扱った。人口倫理の領域に立ち入って、不幸の本性とその倫理評価における役割を明確化し、不幸を考慮の一つとする規範理論の発展に貢献した。また心理学研究を踏まえながら、不幸を幸福と区別しつつ統一的に評価し個人間で比較することの原理的可能性を示した。そして、不幸の逆である幸福や、両者を含む福利と個人的価値全体とその機能についての理解も促進した。さらに、個人的価値は当事者にとって重要な価値でありつつ実証研究の対象ともなりうる存在であることを論じて、福利(不幸と幸福)・個人的価値に関する研究の学際的意義を示した。
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