研究課題
基盤研究(C)
本研究は、スリランカの上座部大寺派が伝承したパーリ仏典に基づいてスリランカ仏教史を構築する方法論的問題の解決を目指し、スリランカに関連する漢訳仏典を活用して、立体的なスリランカ仏教史の再構築を目指した。その研究成果として、古代インドには存在しなかった史書がスリランカに成立した歴史的経緯を明らかにすることができた。漢語資料とパーリ文献との比較調査の過程で、『島史』の構造を解明することに成功し、仏教の中心地であるインド本土に対し周縁にあったスリランカにおいて、大寺が自らを仏教世界の中心に位置づけるために年代記の形式がスリランカに生まれる経緯を論じた。
スリランカは、東アジアや西アジアの影響を受けずに史書というジャンルを作り出したため、本研究は歴史意識や史書の研究に貢献するものである。本研究の成果は、「スリランカにおける史書の誕生」(『東方学』133)として発表され、その論文により、2017年、東方学会賞を受賞した。さらに、本研究は、上座部大寺派が自己形成する歴史的過程を解明することにも貢献した。本研究成果を含む、上座部仏教形成史の研究は、2019年、日本学術振興会賞を受賞した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
丸山眞男記念比較思想研究センター報告
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東方学
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東洋文化研究所紀要
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