研究課題/領域番号 |
16K02178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
八木 久美子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90251561)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イスラム / イスラーム / ムスリム / 言説 / 婚姻 / イスラム復興 / 結婚 / 国家 / ファトゥワー / ファトワー / 音楽 / 宗教学 |
研究成果の概要 |
本研究はイスラム復興を、人々の日常生活に起きている現象として捉え、彼らのイスラム理解が形成される過程を明らかにしようとするものである。結婚に関する言説に注目したのは、それが個人にとって重要な問題であるだけでなくそのありようは社会のありようと直結するからである。
昨今のアラブ世界では「イスラム的/式」と呼ばれる新奇な結婚式が話題になっているが、それを生み出したのはウラマーによる伝統的な解釈ではなく、一般信徒が抱くイスラムのイメージである。また、イスラムの名において語りつつ、結婚に介入しようとする国家に対しても人々は自在に対応しており、彼らのイスラム理解には高い自律性があることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1980年前後から世界中で顕著になる宗教復興という現象のなかでも、とりわけイスラム復興は政治的な性格のものと認識されることが多い。しかしながらそうした政治的な動きの背後には人々の日常があり、当然のことながら、この二つの次元は無関係ではなく、密接に結びついている。
結婚は個人的なものであると同時に社会的なものでもあるため、結婚に関する言説は、この点を確認するための最良の材料となった。国家権力による支配と宗教的権威による支配のはざまにあって、一般信徒が驚くほどの自律的なイスラム理解を見せ、能動的な動きを見せることを明らかにしたことは、現代におけるイスラムの動きを理解するうえで大きな意義がある。
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