研究課題/領域番号 |
16K02183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
安藤 泰至 鳥取大学, 医学部, 准教授 (70283992)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2017年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 生命倫理問題 / 誕生と死 / いのち / 宗教 / スピリチュアリティ / 障害者運動 / 障害学 / 生命倫理学批判 / 生命倫理 / 障害 / 生命操作 / 安楽死 / 尊厳死 / 在宅生活支援 / 宗教学 |
研究成果の概要 |
生命倫理問題、とりわけ誕生と死をめぐる倫理問題について、既存の生命倫理学における手続き的「自己決定」重視を批判して「生活」や「いのち」の全体を考慮する点や、医学・医療特有のものの見方やそこに隠された優生思想を批判する点で、宗教的アプローチと障害学的アプローチの間には共通点がある。他方、「よい死」への希求をめぐる言説について、障害学のアプローチは障害当事者の生命を圧殺するものとして批判するのに対し、「死の自覚」や「死の受容」を説いてきた宗教からのアプローチではこの点について甘さが見られる。両者のアプローチの比較は、生命倫理問題における「当事者」の複数性と多元性についてのさらなる省察を要請する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は生命倫理問題における宗教的アプローチと障害学的アプローチの比較についての初の本格的研究であり、複数の分野で学術的意義を有する。医療や福祉、生命倫理などにおける宗教的な物の見方の意義に焦点を当てる本研究は、宗教学における近年のスピリチュアリティ研究や社会貢献研究を引き継ぎ、発展させる。生命倫理学における医学・医療的な物の見方の相対化という面では、生命倫理学にも寄与するところが多く、障害学や障害者運動に対しても別方向からの視点を提供しえるものである。コロナ禍で「いのちの選別」が問われる社会的状況のなかでさまざまな立場の研究者、当事者、支援者との議論・対話を進める上での社会的意義も大きい。
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