研究課題/領域番号 |
16K02186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
宗教学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田島 照久 早稲田大学, 文学学術院, 名誉教授 (50139474)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ドイツ神秘主義 / 中世哲学 / キリスト教図像学 / テオ-シス / 魂における神の子の誕生 / キリスト変容図 / テオーシス / マイスター・エックハルト / 宗教哲学 / スコラ学 / ドイツ神秘思想 / 宗教学 |
研究成果の概要 |
本研究では、西方教会の「ドイツ神秘主義」が説く「魂の内における神の子の誕生」の教説を、東方教会の「テオーシス」(人間神化)思想の系譜に連なるものとして捉えなおし、東方正教会とは異なる独自のテオーシス理解があることを明確にした。神が人となったのは、われわれを神にするためである、とアタナシウスが語るように、受肉は人間神化(テオーシス)のためにあるとする受肉の目的論的範型理解が東方教会ではなされてきた。同じ理解がエックハルトの思想の核にあることを論証した。「誕生教説」を神秘体験ではなく「イエスを通じて人間は神の子らとなった」という自覚に至る目覚めの体験として位置づけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでローマ・カトリック教会には、東方教会の霊性を形作る「人間神化」(テオーシス)思想はないとヨーロッパの研究者達は考えてきた。しかし本研究の成果から、これまで個人の神秘的体験の言説として「ドイツ神秘主義」の名で呼ばれてきたエックハルトの思想が、古代ギリシア教父以来の「人間神化」(テオーシス)思想の伝統に連なるものであることが論証された。この研究成果により、「ドイツ神秘主義」という呼称は時代とその対象を指し示す呼び名としてはこれまで通り使用されても、その内容をさし示す呼称としては不適切であり、「テオーシス思想」とされるべきものであることになる。
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