研究課題/領域番号 |
16K02224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
関口 寛 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (20323909)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 人種主義 / 喜田貞吉 / 鳥居龍蔵 / 賀川豊彦 / 生政治 / 統治性 / 被差別部落 / 在米日本人 / マイノリティ / 生権力 / 優生学 / 犯罪学 / 精神医学 / 部落問題 |
研究成果の概要 |
本研究では、20世紀前半期に欧米で広範囲に強い影響力を振るった科学的人種主義が、日本にも深い影を及ぼしていたことについて、国内の部落問題を事例に明らかにした。具体的には、部落史研究の先駆者として知られる喜田貞吉の理解や、当該期に内務省が開始した感化救済事業などの社会改良政策が、人種の優劣にかんする理解に基礎づけられていたこと、そこに人類学、犯罪学、精神医学などの影響があったことを指摘した。またかかる統治の眼差しに対し、当事者たちが新天地を求めて国内外に移住した事例や、科学的人種主義に対抗する形で展開した思想や実践から、当該期のマイノリティ集団の生存戦略や文化創造についても考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
19世紀末から20世紀前半にかけて、欧米では科学的人種主義が広く社会に受容され、マイノリティ集団に対する排除や抑圧が強化されたことが指摘されてきたが、日本においても同様の歴史的変容が起こったのか否かについては、これまで究明されてこなかった。本研究では、部落問題を例として同様の変化が日本国内でも生じていたことを明らかにした。また今後、日本社会における統治のしくみを分析する上で、これをグローバル・ヒストリーのなかに位置付けて考察することの重要性を確認した。
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