研究課題/領域番号 |
16K02232
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田部 胤久 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80211142)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 共通感覚 / 美学 / 感性論 / 感性論的転回 / 共通感官 / 自己感情 / 微小表象 / 民衆芸術 / 民衆詩 / 美の無関心性 / 美への関与 / 古典概念 / 美的生活 / 範例性と独創性 / 私は感じる・私は考える / 範例性 / 近代日本における古典概念の成立 / 感覚の感覚 / 文明化の過程 / 身体論 |
研究成果の概要 |
「共通感覚(koine aisthesis, sensus communis)」という古典古代から伝わる概念に二つの系譜があること、すなわち「共通の」という形容詞の意味の相違に応じて、五感に共通の感覚というアリストテレス以来の系譜と、他者と共通の見解(いわゆる常識)というキケロ以来のローマ的系譜とがあること、これは広く認められた通説である。この通説に対して本研究は、(a)これら二つの系譜が歴史的に交叉していることを明らかにするとともに、(b)この交叉のうちに再構成される問題圏が、20世紀末から〈感性論的転回〉を遂げつつある「美学」の現代的課題にとって中枢的な主題をなすことを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
すでに日本において共通感覚論は、哲学者の中村雄二郎、精神病理学者の木村敏らによって、独自な展開を遂げたが、本研究は美学的な視点から共通感覚に新たな視点を提起した。その成果の一部は、『美学』(東京大学出版会、2020年)という一般書(とりわけ第六章)のうちに示し、研究の社会的還元を行うとともに、学術的には The Journal of Aesthetics and Phenomenology の特集号 The Unconscioius の編集をとおして国際発信した。
|