研究課題/領域番号 |
16K02242
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
岡田 恵美 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60584216)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | ナガ / 民謡 / ポリフォニー / 少数民族 / インド北東部 / 労働歌 / ナガランド / 民族音楽学 |
研究成果の概要 |
ナガの各民族の言語や居住地域の地形・生活様式は多様であり,歌唱文化や使用楽器においても各々の特徴がある点が明らかとなった。ポチュリやサンタム・ナガの村では真鍮製の気鳴楽器など他地域との交流・交易の中で定着した楽器類も見られたが,一方でチャケサン・ナガは山岳地帯に暮らし,使用楽器はタティと呼ばれる一絃琴が歌唱伴奏に用いられるのみである。その分,リと呼ばれる伝統的な歌唱文化が日常生活の中で息づき,農業機械が導入されていない棚田では,同世代の集団ムレで農作業を協働し,農作業中に共に歌い,そのポリフォニックな音楽構造や集団で歌い協和音を生む行為が,彼らの相互扶助の社会構造や協働性と密接に関係している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,南アジアにおいて稀少なポリフォニー(多声的合唱様式)の民謡が歌い継がれているインド北東部の山岳民族ナガの伝統的な歌唱文化を対象とし,その音楽的構造や歌詞,歌唱法,社会文化的脈絡を現地調査から考察し,歌の機能と協働性について追究したことに学術的意義がある。ナガの音楽文化は,長年の独立紛争や軍事弾圧によって,現地調査を伴う学術論文が極端に少なく、本研究での成果は,学術雑誌のみならず一般雑誌や講演で幅広い層に発信を行った。日本では労働歌など生活に息づいた伝統的な歌唱文化が本来の脈絡で伝承されることはなくなったが、今尚、農作業や相互扶助の社会で生き続けるナガの歌唱文化への関心の高さを感じた。
|