研究課題/領域番号 |
16K02245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
高橋 葉子 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 客員研究員 (20766448)
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研究分担者 |
藤田 隆則 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 教授 (20209050)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 能の略式演奏 / 素人 / 謡と謡本 / 京観世 / 稽古能 / 能とお辞儀 / 一調 / 音楽演奏と職制 / 京都の能楽愛好家 / 愛好家と略式演奏 / 素人の歴史 / 謡の音楽的変化 / 伝統音楽の記譜 / 謡技法の体系化 / 謡と囃子の演奏理念と芸道意識 / 能楽の職掌構造 / 近世以降の謡の音楽的変化 / 謡のリズムの理論と表現 / 明治期の謡の音源 / 近代の謡の変遷と流儀統制 / 能におけるお辞儀の意味 / 能興行と観客存在 / 近現代の能楽における愛好家の役割 / 素人愛好家の歴史調査 / 能玄人の演奏理念および演奏慣習の調査 / 江戸後期以降の謡の音楽的変遷の解明 / 近代謡本の系統の解明 / 能の伝承における自得と「素」の概念 / 能楽 / 演出 / 古典芸能 / 囃子 / 音楽学 |
研究成果の概要 |
本研究では能の音楽における略式演奏の歴史と現代的意味を追求し、次の諸点を明らかにした。1.江戸中期の上方における略式演奏の実態、2.能の伝承と公演における歴史性、3.一調の歴史的変遷、4.江戸中期から近代までの謡の音楽的変化、5.近現代の略式演奏と素人の活動、6.略式演奏の創造性を活かした実践的研究と教材研究。研究全体を通して、略式演奏の音楽的・形態的変遷について具体的な新知見を提示し、社会情勢や能楽組織との歴史的関係を明らかにした。また近代の京都の愛好家の記録を作成し、現代の能楽普及の課題として、略式演奏を活かした実践的な取組みを行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
能は深い精神性と高い芸術性を備えた舞台芸術だが、もう一方の側面として、座敷芸や稽古事として身近に享受され隆盛した長い歴史がある。世阿弥が「内にての音曲」と語っている、謡や舞による略式演奏がそれである。が、略式演奏の歴史と意義に焦点をあてた研究は未だ少ない。本研究では、玄人の略式演奏、および日常的な音楽としての素人の略式演奏各々のあり方と、社会変化や能楽組織とこれらの重層的な関わりを論じた。また音階や音進行等の音楽上の変化や演奏形態の変化について新知見を発表した。研究成果を踏まえ、略式演奏の自由性を活かした普及教材の研究や、諸芸道書の横断的研究に発展させている。
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