研究課題/領域番号 |
16K02262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 東京大学 (2018-2019) 東北大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
芳賀 京子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80421840)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ギリシア / 彫刻 / 肖像 / 英雄 / 崇拝 / ローマ / 死者 / 競技祭優勝者 / 古代ギリシア / 彫像 / 美術史 |
研究成果の概要 |
近年の古代ギリシアの彫像研究は神像を宗教物として考察する一方で、人間の肖像はもっぱらその政治的・社会的側面に注目し、結果として両者を別々の分野に分断してしまった。だが死後にこの世に力を及ぼし崇拝の対象となった者を「英雄」と定義しその造像に注目することで、神像や肖像にも共通する彫像の奉献動機が見えてくる。彼らは将軍や競技祭優勝者といった力ある死者を英雄化し肖像を捧げることで、その祟りを鎮めようとした。過去の大詩人に肖像を捧げることで、現世的な利益を得ようとした。ヘレニズム君主やローマ皇帝に肖像を捧げたのも、見返りを期待してのことだった。彼らは像主の力をコントロールするために像の奉納を行ったのだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は古代ギリシアの神々と人間の間に存在する英雄(力ある死者)の像を考察することで、神像と肖像という別分野と思われがちな像が実はきわめて近い関係にあることを明らかにした。これは近年の古代ギリシアの彫像研究におけるジャンルの細分化を再び統合する役割を果たすものである。加えて、古代ギリシアにおける造像の契機として「死者の祟りを鎮める」「ご利益を得る」という日本人にも馴染みのある考え方があったことを明らかにし、これまでとは異なるギリシア彫刻のイメージを広く一般に提示する。
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