研究課題/領域番号 |
16K02270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
亀井 若菜 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (30276050)
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研究分担者 |
安達 敬子 京都府立大学, 文学部, 教授 (90194555)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 伊勢物語 / 伊勢物語絵 / 有常娘 / 二条后 / ジェンダー / 物語絵 / 日本美術史 / 伊勢物語図 / 美術史 / 国文学 / 図像 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、中世から近世初期に作られた「伊勢物語絵」を対象とし、『伊勢物語』の注釈書や関連する文芸を調べ、一つ一つの「伊勢物語絵」がどのような『伊勢物語』世界を見せようとしているのかを探求することである。メトロポリタン美術館蔵「伊勢物語図屏風」(16世紀後半~17世紀前半)には17の場面が描かれ、その12場面に女性が登場する。その女性達は「古注」の系統の注釈書で二条后と有常娘とされた女性であることが判明した。二条后は「密通した后」、有常娘は「貞女の鑑」と認識されていた。本屏風は、業平とこの二人との恋の物語を展開させ、当時の女性観と関わって『伊勢物語』の世界を見せるものであることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの「伊勢物語絵」の研究では、ある作品の内容を詳細に紹介することや、段ごとに複数の作品の図像を比較しその特徴や変遷の様相を検討すること、制作事情がわからない作品の絵師や制作年代を推定することなどが多く行われてきた。しかし、多くの場面を描く一つの「伊勢物語絵」が、いかなる立場・身分にある人の視点から描かれ、どのような『伊勢物語』世界を見せようとしているのかを検討することはなされていない。本研究では、美術史と国文学の研究者が協同し、図像比較と文献読解を綿密に行うことにより、メトロポリタン美術館蔵「伊勢物語図屏風」の17場面がいかなる視点から選ばれ描かれているのかを明らかにした。
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