研究課題/領域番号 |
16K02272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
深谷 訓子 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (30433379)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | バロック / オランダ美術 / イタリア美術受容 / パトロネージ / ローマ / 17世紀美術 / 西洋美術史 / オランダ絵画 / カラヴァッジョ / カラヴァッジスム / 宗教画 / 模倣 / マンフレーディ / 祭壇画 / ネットワーク / 交流 |
研究成果の概要 |
北方画家のローマにおける活動を、作品に加えて人的ネットワークからも具体的に明らかにすることを試みた。まず1580-1630年頃の全体像(概観)を得た。そのうえで重点対象としたユトレヒト・カラヴァッジストのうち2名に関して、彼らのローマにおける最初のパトロンがスペイン人だったことを指摘し、北方出身の若き画家が親スペイン派のネットワークに接近したルートを明らかにするため、注文の背景に関する綿密な調査を行った。その結果、跣足カルメル会とのコネクションや、教皇に仕えた建築家ジョヴァンニ・ヴァサンツィオとのコネクションなど、一定の説を提示するに至り、その内容をオランダで開催された国際学会で発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で行った複数のケーススタディにより、17世紀前半の北方画家のローマにおける人的ネットワークと作品制作との関連性を具体的に明らかにすることができた。特にユトレヒト・カラヴァッジストと呼ばれる画家たちと親スペイン派の人脈との関係性に着目した事例では、重要な要因として、当時のローマの国際性と母国での人間関係の保持という両側面を浮き彫りにした。また、それとは異なりローマでの同居関係が作風上の影響関係につながったケースも見出された。美術史研究においては、具体的な事例に即して作品に影響しうる要因を確定していくことが重要であり、そうした意味で有用なデータを蓄積することができたと考えている。
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