研究課題/領域番号 |
16K02275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
水野 千依 青山学院大学, 文学部, 教授 (40330055)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 西洋美術史 / 宗教美術史 / 歴史人類学 / 神聖空間 / 図像記憶 / イメージ人類学 / 主日のキリスト / 聖像儀礼 / 聖像 / 儀礼 / 奇跡 / 記憶術 / 聖書註釈 / 霊的修養 / 否定神学 / フラ・アンジェリコ / ダイアグラム / ポワティエのペトルス / 視覚的注釈図 / イメージ論 / 聖像崇敬 / 礼拝像 / 聖像譚 / 美術史 |
研究成果の概要 |
中世末からルネサンスのキリスト教文化における聖像の機能を二つの事例を中心に歴史人類学的に考察した。 (1)トスカーナ地方における聖母像崇敬において、聖なるモノ(聖遺物や聖像)が、パラテクスト的装置(枠縁、ヴェール、マント、聖遺物容器、タベルナクルム)、 聖像譚、聖像儀礼によって、いかに神聖空間(ヒエロトピー)を複合的に形成するかを明らかにした。 (2)アルプス周辺の文化的周縁地に残存する特異な図像「主日のキリスト」の形成・変容・融合・解体に注目し、罪や贖罪の観念を想起させる記憶術的イメージとしての機能を指摘した。またこの像に複数の形象の記憶が圧縮されている点を他文化圏の関連する像と比較考証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近代に遡及的に生み出された「芸術」概念をはじめ、美術史学の諸前提を問い直し再検証するとともに、イメージ人類学的、あるいは歴史人類学的手法でイメージを再考するためのケース・スタディであり、方法論という点で学術的意義がある。扱う対象も、一般的な意味での「芸術作品」にとどまらず、キリスト教文化において礼拝対象とされた聖像の地位や機能、文化や時代を超えて図像そのものに積層する記憶の問題、等、従来の伝統的な研究手法では十分に掘り下げられてこなかった問題領域である点で、独創性がある。
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