研究課題/領域番号 |
16K02287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
川上 比奈子 摂南大学, 理工学部, 教授 (90535121)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | アイリーン・グレイ / 菅原精造 / 稲垣吉蔵 / アール・デコ / オーギュスト・ロダン / ル・コルビュジエ / 高村光雲 / 東京美術学校 / 日本漆芸 / 近代建築 / フランス / 木内克 / 碓田克己 / 森川奇秀 / 碓田勝己 / 川之辺一朝 / 土佐光起 / E.1027 |
研究成果の概要 |
20世紀初頭、アイリーン・グレイと協働した渡仏美術家の菅原精造と稲垣吉蔵について調査した結果、彼らは共に東京美術学校において高村光雲に彫刻を学んだことが判明した。また、稲垣は晩年のオーギュスト・ロダンの助手を務めたが、ロダンが菅原の彫刻作品を見たことが切っ掛けであったことが分かった。ヨーロッパの美術家たちが惹きつけられた菅原と稲垣の特性は、高村を招聘した岡倉覚三が主導した東京美術学校の日本美術教育の特性でもあり、その理念と技術が西洋の美術家へ直に伝えられ、その結果、西洋美術へ影響が展開した可能性が大きい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヨーロッパにおいて、菅原と稲垣は「職人」として紹介されてきた。しかし本研究では、菅原も稲垣もいわゆる「職人」ではなく、東京美術学校の総合的な美術教育を受け、高村光雲に学んだ「美術家」であり、ヨーロッパの数々の美術家と共に作品を創り、影響を与えていたこと判明した。20世紀初頭、日本が近代ヨーロッパから学び、影響を受けた指摘は枚挙にいとまがないが、逆に、日本の美術家が近代ヨーロッパの美術に与えた影響を明らかにした研究は極めて少ない。本研究の意義は、日欧美術の影響関係が一方的なものではなく、双方向性の中にあることを具体的に明らかにできたことである。
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