研究課題/領域番号 |
16K02314
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
芸術一般
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
知足 美加子 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (40284583)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 修験道 / 彫刻 / 宝篋印塔 / 文化財復原 / 自然信仰 / 神仏習合 / 芸術 / デジタル技術 / 英彦山修験道 / 修験道美術 / AR(拡張現実) / 廃仏毀釈 / 仏教 / 美術 / 南面北座 / 金剛界五仏種子 / 五大 / 蓮華 / 荘厳する表象 / 英彦山 / 3Dデータ / 文化財 / 3D / 磨崖仏 |
研究成果の概要 |
本研究では、明治期の仏教排斥運動(廃仏毀釈)の文化財破壊を免れるため、英彦山修験者が改刻を行ったとされる豪潮作宝篋印塔(1817年)の分析と復原を行った。その結果、この塔を燈籠として改刻する際、仏教の「種子」や「蓮華」の表象を否定しながらも、五大思想などの仏教思想を暗示させる造形的工夫を施していたことが分かった。これは仏教教義の否定ではなく、神道に対する仏教の優位性のみを否定するために行ったと考えられる。失われた英彦山宝篋印塔塔身の種子部分の配置について、英彦山における北岳への信仰等を根拠として、背面に北方の阿シュク如来(アク)の種子をおく「南面北座」の配置であったことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、明治期の廃仏毀釈によって禁止・破壊された修験道文化が、自然信仰および神仏習合(異なる信仰の共存)という日本文化の重要な基底の一部をなしてきたと仮定し、文化財復原を通じて修験道文化の輪郭を明らかにするものである。特に弾圧が厳しかった英彦山修験道について、3Dデータによる計測、AR(仮想現実)等のデジタル技術と、伝統的彫刻技術を組み合わせて復原を行うところに新規性がある。《宝篋印塔》《彦山三所権現御正体》《不動明王立像》について復原を行い、英彦山神宮のご神体として祀られている。途絶えていた神仏習合の護摩焚きを復活させ、再興の礎となった。また九州北部豪雨災害の際、文化による復興に寄与した。
|